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熊さん: ご隠居さん、10歳になるあっしの甥っ子がいま少年野球で頑張ってるんですが、野球道具の手入れ方法が知りたいそうなんです。グラブとスパイク、バットはどうやって手入れすればいいんですかねぇ。
隠 居: 丁度いいところに来たな。いま、長屋で運動具店をやってる秀公がここにいるから、色々聞かせてもらうといい。
秀 公: 子供たちが野球を楽しんでいるのを見るのは、嬉しいものですよね。熊さん、何でもお聞きください。
熊さん: へへっ、よろしく頼みますよ。じゃあ早速、グラブの手入れ方法から教えてくださいな。
秀 公: グラブは、こまめにオイルを塗って汚れをよく落とすことです。どうしても手のひらの捕球面のところがスレやすいので、ここにオイルを塗り、よく乾かします。忘れがちですが、網の部分のヒモにも油を塗っておくと切れにくくなるのでいいでしょう。オイルは町の運動具店で売っています。うちの店にも置いてますから、甥御さんに教えてあげてください。
熊さん: おやおや、さりげなく宣伝してますねぇ。
秀 公: グラブは皮だから、湿気が大敵です。試合中に雨などで濡れたときには乾いた布でよくドロを落とし、風通しのいいところで乾かすことが大切です。それから、グラブというのは親指が命。絶対にここを、くにゃくにゃと曲げないことです。他の部分は柔らかくすると捕球しやすいこともありますが、親指の部分だけは絶対に曲げてはいけません。
熊さん: ふーん。じゃあ次に、スパイクの手入れの仕方を。
秀 公: スパイクは使ったあとはドロをよく落とし、くつずみでよく磨くことです。雨の日なんかに履いて中がグジャグジャになったら、中に新聞紙などを詰めて水分を落とすとよいでしょう。スパイクに限らず、野球用具は自然の素材を使っているものが多いので、湿気には充分に注意しましょう。皮製のスパイクだったら、水洗いはタブーです。
熊さん: それでは最後に、バットの手入れ方法を頼みます。
秀 公: 木のバットの場合は、湿気をためないことです。床に転がさずに、立てて置いた方がいいでしょう。プロの選手では箱に乾燥剤を入れてバットを保管する人もいます。お子さんだとそこまでは難しいでしょうが、バットが湿ると重さも弾き方も変わってしまうので、注意が必要です。 金属バットの場合はそれほど気を遣う必要はありませんが、寿命があるので、金属疲労を避けるために、なるべく同じ面で打たない方がいいですね。折れないからといってそこらじゅうをガンガン叩くのは、もってのほかです。
熊さん: 用具は大切に使わないといけない、ってことですね。
秀 公: プロでも、名プレーヤーと呼ばれる選手は、実によく用具を手入れしています。手入れしていない人は、プレーも雑です。阪神タイガースの名遊撃手として活躍された平田勝男さんは、大学時代からプロを引退するまで、ずっと一つの同じグラブを大切に手入れし、使い続けていたそうですよ。グラブがまるで自分の手のひらのように馴染むまで使い続けたからこそ、ゴールデングラブ賞を4度も受賞される名手ぶりを発揮されたんでしょうね。
熊さん: そうですか。あっしの甥っ子にも、用具を大切にして名選手になれって教えていきますよ。
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