左投手のことを「サウスポー」と呼ぶのをご承知のファンも多いと思います。
「サウス」は「南」。「ポー」は動物の「前足」、まれに「人間の腕」の意味に使われる言葉です。
なぜ、左投手が「南の腕」なのか。不思議な呼び方ですが、それは左投手が打者に向かってマウンドに立つと、利き腕の左腕が南側になるためでした。
アメリカの1890年代、多くの球場がホームベースを西側にすえて、打者とネット裏の観客が陽光でまぶしくないようにしていたのです。
照明施設がなく、デーゲームだけの昔は、こうした球場がほとんどでした。
その名残は『公認 野球規則』に残っています。
規則 1・04 「本塁から投手板を経て二塁に向かう線は、東北東に向かっていることを理想とする」とあります。
この規則どおりにプレイイング・フィールドを作るとマウンドに立つ投手の左腕は南側になるのです。
ナイター全盛、また、ドーム球場が増えた現在では、陽光を気にする必要はなく、この条文の拘束力も弱まりましたが、「サウスポー」の呼び名に野球が伝統と歴史のスポーツであることに気付かされます。